山岳部の後輩で植物生態学専攻の学生Nさんから誘われ夏山シーズン直前の穂高連峰に高山植物を楽しみに出かけました。 今年は3月の豪雪、5月の不順な天候の影響で残雪が例年になく多く、前穂、奥穂間の吊尾根上の雪渓トラバースを想定し10本爪のアイゼンを携行しました。 7月9日、松本から昔懐かしい松本電鉄、新島々からバスを乗り継いで午後3時前に上高地着。月曜日でもあり観光客はそれほどでもない。河童橋を渡って明神池への道をたどる。久しぶりの山の霊気に触れ岳沢小屋までのゆっくりした登りを楽しむ。 翌7月10日と11日は梅雨前線が南下したせいで梅雨の合間の絶好の天候に恵まれる。主目的の高山植物の生態観察に集中し登山としては実にゆっくりしたペースで進む。長い登山経験の中でもこれほど途中の自然観察に時間を費やして楽しんだのは初めてである。いつもは緊張する滝谷を見ながらの北穂への稜線も微風快晴、観察する花々に癒されつつ至福の一時を過ごす。人気のない北穂高山頂では昼寝まで楽しむ事が出来た。 夜半から雨となり翌7月12日はガスと強い雨の中での下山となった。それでも雪の消えたザイテングラートでは雨に濡れるイワカガミ、ハクサンイチゲらのけなげな姿に見飽きることがない。濡れて立ち寄った涸沢小屋では小屋番の青年とNさんに共通の友人がいる事が分かりしばらく話しこむ。涸沢のテントサイトはまだ全面残雪で覆われていた。人影もない。来週からの本格的な夏山シーズンに備え小屋の修復に忙しいようだ。上高地までのいつものながい単調な歩きののち午後3時にバスターミナルに到着、何とかその日中に帰宅することができた。 以下は素人ながら確認できた高山植物です。全て標高2400米以上の重太郎新道から涸沢までの間で撮影したものです(撮影順に掲載)。 ギンリョウソウ ゴゼンタチバナ ミヤマカラマツ ハクサンイチゲ コケモモ? イワツメクサ ミヤマキンバイ イワカガミ ショウジョウバカマ コメバツガザクラ イワウメ ミヤマシオガマ ハクサンイチゲの芽 クモマスミレ タカネヤハズハハコ イワベンケイ シコタンソウ ツガザクラ シャクナゲ エンレイソウ キヌガサソウ