北アルプス 五竜岳

5/2~5/4にかけて北アルプス五竜岳の雪稜バリエーション登攀に行ってきました.
この山行は,労山茨城県連救助隊の有志が中心となって企画されたもので,ラリグラスからITさんJさん夫妻,Hさん,最近ビスターリから合流したNさん,私のほか,日立市の山岳会「HCのんびり」のTさん,Sさん,Nさんの8人が参加しました.
当初の計画では5/5下山でしたが,状況判断により一日短縮しました.

5/2 アプローチ
天気は快晴.早朝,白馬五竜スキー場の駐車場に待ち合わせ,8:15分発のゴンドラ「テレキャビン」でスキー場の最上部まで上がり,遠見尾根をラリグラスのテント組は西遠見山の幕営地まで,「のんびり」の3人は五竜小屋を目指した.
久々の幕営装備,しかも8年ぶりの20キロ越えの荷物が肩と背中の筋肉にこたえた.遠見尾根からは白馬岳から鹿島槍ヶ岳にかけての稜線が壮観だった.13時過ぎ,西遠見山手前のコル状の平坦な場所を幕営地とした.当然水場はないが,幸いなことに前の週末に新雪が降ったため,きれいな水を手に入れることができた.

5/3 G0稜登攀
朝早くは青空が見えたが,その後は曇り.5時半に幕営地に集合し,急斜面をトラバース,降下しシラタケ沢に下りた.一部,落ちたらタダでは済まないところはロープをフィックスして通過した.
右写真にあるように,8時ごろ,稜線の左側(正面からは右)の岩の下部を取り付きとして登攀を開始した.システムはこうだ.ロープは9mm×50mのものが3本あり,ITさんが終始リードし,2番目にTさんが2本目のロープを引き,下のメンバーに指示を出す.そして私が2本目のロープで確保されつつ3本目のロープを引く,その間ユマールをもった4人がそれぞれフィックスされた2,3本目のロープで登る.そして最後にHさんが中間支点を回収する.上部ではダケカンバやハイマツから確保・中間支点をとれたが,下部ではピッケルを支点にした肩絡み確保だった.本来は2つのパーティに分けたほうが速いが,リードできる十分な技量をもったメンバーがITさん,Tさんの二人であり,しかもルート経験者がTさんのみであるため,この8人編成は仕方ないだろう.
写真で見るルートのちょうど真ん中あたりが最も急な箇所であり,45度程度だった.傾斜もあるが,横がちょっとしたリッジになっており,なかなか高度感があった.ここではすでに雪が軟らかかったため,ピッケルを横に埋めて確保した.こうするとかなり心強い.
正午ごろ,警察のヘリが飛び回っていた.今朝五竜岳頂上から富山側に滑落して亡くなった方がいたそうだ.
中間部から上はハイマツかうるさく,雪稜よりもむしろ時間がかかった.短いスノーリッジのとハイマツ帯の後に,小さな雪の帽子を越えればG0のピークだ.このときすでに16時.取り付きから8時間もかかったことになる.ガイドブックでは3~4時間だが,8人パーティのためほとんど待ち時間だったことを考えればこんなものか.五竜頂上には行かず,小屋を経由して幕営地に戻ったのときはすでに18時だった.
予報では翌日は曇りのち雪であり,時間的,体力的にも予定していたGII中央稜は断念し,下山する事にした.
5:30 西遠見BC -- 8:00 G0稜取り付き -- 16:00 Goピーク -- 18:00 BC


5/3 下山
テントを撤収し,7:30に遠見尾根を下山した.たまにガスに包まれることはあったが,大して天候は悪化することなく10時にテレキャビン駅に到着.
ぽかぽかランド美麻で入浴・食事し,往路と同じく上信越道と北関東道を走って20時すぎにつくばに着いた.

私にとっては初の雪稜バリエーションであり,楽しくいい経験なりました.雪稜では支点の確保が難しいと思いました.初級ルートといえども,確かな中間支点のためには念のために,スノーバー等を持っていったほうがよいと感じました.

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