5月15日 三ツ峠
今回の岩トレ場所は。三ツ峠。
富士山が綺麗に見える穴場スポットとしてTVで紹介されているのを見たことがある。富士山を見ながら岩トレかぁ~楽しそう。そう、私はこれからどんな恐怖体験が待ち受けているかを知らなかったのです。富士山どころではありませんでした。
中央道河口湖ICを降りて御坂みちを進みます。登山口の駐車場にはすでにたくさんの車が停まっていました。 支度を整え登山開始です。駐車場から三ツ峠の岩場までは徒歩1時間程。程よい勾配で樹林帯の山歩きも楽しめます。
ん? I くんの足元はサンダル。さすがタフガイ!!
三ツ峠山荘 着
右手には長い長い裾野を従えた富士山。残雪の富士。これまた格別にかっこいい!!
左手には垂直に切り立った黒々とした岩壁が見えます。岩壁?マジ?これが今日の岩トレ場所?!
「まさか~あんなところ登らないわよ」・・・誰がそう言って~
長い階段を下りきると岩壁の基部に着きます。首が痛くなるほどの角度。高さ。すでにすくんでます。私。
本日は総勢12名(ITさん、Yさん、Hさん、Nさん、Jさん、Oさん、Nさん、Iさん、Iくん、Sさん、Oさん、私K)。3人ずつ4パーティーに分かれます。私はHさん・Nさんと同じ組です。まずはウォーミングアップで1ピッチを登り懸垂下降で降ります。実は私、岩トレは2度目。本チャンは初めてです。外岩の感覚をすっかり忘れてしまっていて、岩に何度も張り付いてしまいました。
「マルチ行っちゃう?」Hさんのその言葉の意味が私には分かりませんでしたが、すでにITさん・I くん・Oさんチームが登っているという情報を聞いて私たちも向かうことに。 そう、これが恐怖の始まりです。
私たちがチャレンジするのは通称「亀ルート」。
Hさんがリードでダブルロープで登拳開始です。
1ピッチ目。2m程の岩壁を登り切れば、立って歩けんるんじゃない?と思われるほどのなだらかな岩。右に少し登ってそこで1ピッチ目が終わりです。なーんだ。いけるいける。
2ピッチ目。1ピッチ目の終了点から行く先を見上げると、さっきと様子が全然違います。垂直に立ちはだかる岩。岩からは水が染み出ていて、ジメ~っとしています。これ絶対に滑る。私に繋がっているのは赤いロープ。「赤、行きまーす」の掛け声で自ら気合いを入れます。ツルツル滑る岩の中でも何とかホールドのいい場所を探しながら慎重に登って行きます。
垂直登拳の終了地点には横長の大きな岩。残置のお助け紐もところどころにブラブラしています。この横長岩を越えるには技術というよりは力任せによじ登るしかありません。でもそんな力残ってない。あぁぁーあの、あの岩を掴みたい・・・ありったけの力で手を伸ばしますが届きません。ホールドの悪い所に立っているせいで足はプルプル。もう一度手を伸ばす・・・・あぁぁ・・だめだぁ。ふとよぎる、落ちたらどうなる?という気持ち。二進も三進もいかなくなりロープを張ってもらって少し休憩させてもらいました。「休憩するときは手もダラーンとさせてちゃんと休むんだよ。」とHさんからのアドバイス。休んでいるその隙に良い足掛かりと手掛かりを見つけ、力任せのよじ登り成功!
3ピッチ目。いよいよ始まるトラバース。
トラバースはロープが横に伸びているから、落ちたら振り子のようになってしまうらしい。これは絶対に避けたい。 足先だけがかろうじて乗る程度の幅しかありません。ややせり出しているように感じる岩なので怖さが倍増です。しがみつくにも手掛かりがなかなか見つけられません。
本当に怖くなると何故か冷静になりますね。恐怖心に負けたらきっと動けなくなってしまうからでしょうか。これも自己防衛? ここで神の声が。Hさんからの最高の提案です!「後から登って来ているNさんにロープにぶら下がってもらいロープにテンションをかけるからロープに掴まって歩いてもいいよ。」と。おぉぉぉーこれはスゴイ!!硬く張られたロープに掴まれる安心感。でも足元はつま先しか乗っていません。かかとは宙に浮いている。その下50m。今思い出してもゾッとします。トラバースの最後はほとんど足の置場もありませんでした。一歩一歩慎重に進み、何とかクリア!! セルフビレイをし、Nさんを待ちます。
ぶるぶるぶるぶるぶるぶる・・・
なっなに。この得体の知れない体の震えは・・・・
八寸バンドのトラバースを何とか渡り終えた私は、こみ上げてきた達成感、いやいや恐怖感で周りから見ても分かるくらい震えていたようです。あー情けない。
ぎょっ!!トラバースの途中、Nさんの曲芸?!神業だわ。
ここにもいたかタフガイ。
度胸試しの3ピッチ目を終え、50mの懸垂下降です。途中、足が宙に浮きこれも曲芸状態。こわっ。やっぱり私、地に足付いてるのが好きです。
亀ルート取り付きから2時間程かかったようでした。
午後からは、パーティーのメンバー構成を変え、私はNさん・Sさんと一緒に亀ルートの取り付きから1ピッチ目の途中までNさんのリードの練習にご一緒させていただきました。
夕方、雲が下りてきて気温もぐっと下がりました。中央カンテにチャレンジしているパーティーより一足早く下山。 駐車場で皆を待ちます。
すっかり暗くなり、日帰り温泉も時間切れで真っ直ぐ帰路に着きました。
22:30 つくば到着
「どうだった?」「うん。怖かった」迷わずそう答えるでしょう。
怖さもさることながら、いろいろ勉強になった岩トレでした。体の動かし方(格好良く言っちゃうとムーブ♪ですか)。濡れている岩がどれだけ滑るものなのかも分かりました。忘れかけていたロープワークの復習。硬く張られたロープから伝わる安心感。恐怖心に打ち勝つ強い心もすくすく育ちました。
でも、富士山を見る「余裕」はさすがになかったなぁ・・・・
亀ルートを登っている最中にKさんが岩トレ2回目だと知ったHです。『もういやだー私帰る!』と絶叫しなかったので八寸バンドまで行きました。
返信削除さてそのバチが当たったのかどうか分かりませんが、その後メンバー構成変えて中央カンテに登ったときでした。無事ルートを登り終えて懸垂下降。
先発メンバーがロープを引っ掛けて抜けない!
それを助けた後、回収できないと困るからと岩の引っかかりに気をつけて懸垂下降。
いざロープを抜こうとしたら途中でロープが抜けない!!
登り返そうかどうか考えていたら、別の後続パーティが同ルートを登っているではないですか?
恥を承知で『すみません、登ったらロープ抜いてください』と頼む。
しかい後続パーティも初心者がいるようでかなり遅い。
待っていたら結局1時間半程度かかっていた。
自分で何とかすることを考えたほうが良かったようです。
中央カンテは懸垂下降でロープが良く引っかかるようです。早めにピッチを切った方がいいところです。
H:記