2月7日 三つ峠 四十八滝沢


2月7日 晴れ 早朝4時に自宅発、渋滞のない高速を抜け6時には宝鉱山バス停(登山口)についた。広い駐車場は一面の雪で今日の快適なクライミングを期待させる。準備をし6時40分出発。小一時間車道を歩いて三つ峠北口登山口に到着、ここから左手の山道に入る。



 三つ峠北口登山道、入口
30分程山道を登り8時に「ここより千段の滝始まり」と書いた標識から入渓する。

一昨夜の降雪で先行者のトレースも消え、結構ラッセルを強いられる。これではアイスクライミングにならないのではと疑いつつ進む。
 沢の中のラッセル
今回初めて持参したGPSが正確に現在地を示してくれる。思った以上の性能で地図上に現在位置が5米程度の精度で確認できるので雪山では必携装備となろう。標高1170米で最初のクライミングを開始。表面に薄く雪があるがベテランのI氏がいつも通りバランスよく登っていく。

続いてJさんが非力ながらも「never give up」の強い気持ちで氷を一歩一歩登っていく。

四十八滝の主役、大滝に10時半到着、標高1270米。後続の2パーティーに先行してもらう。写真で見た印象より水流が多く、ルートとなる左岸の氷は十分に発達しているとは思えない。今日のクライミングは大丈夫だろうかと真剣に悩む。先行するパーティーは何らためらうことなく登りだした。
気温が高めだし心配だ。後続の1パーティーは左側の沢経由この大滝をまいて上部に出るといってさっさと行ってしまった。
 四十八滝、大滝
I氏が大滝の左岸を登りだした。約5米上部に最初のスクリューをねじ込む。Jさんがしっかり確保している。

ランニングビレーを取って次の登りに向かう。

上部の氷塊にスクリューをねじ込んで最後の登りにかかるI氏、I氏の視点からはわからないだろうが下から見ると氷塊と水流との間に顕著な隙間があり崩落しても不思議ではない。
とにかくI氏はこの地点を無事通過し滝の向こうに消えて、確保の体勢に入ったようだ。 
 
  続いてJさんが最初のビレーポイントまで登りロープのかけ替えを始めた。その瞬間大音響とともに氷塊が崩れた。氷塊は10米ほど落下し確保するOの2米くらい前の岩に激突し砕け散った。破片に当たらない様瞬間的に後ろ向きに身構えた。 
崩落前の大滝(I氏が立つ氷塊が崩落)
      
崩落後の大滝
しばらく茫然としたが次の崩落の危険を察し、クライミングを中止、Oはロープから離れI氏と会話すべく上部が望める地点まで上がりJさんはクライムダウンで下まで降りた。水流の音で肉声での会話は不可能であったが身振り手振りで状況を察したI氏が懸垂下降で降りてきた。この間約30分くらいであったろうか。途中セットしていたスクリュー3本のうち1本は崩落した氷塊にセットしてあったもので沢の中に落ちていたがI氏が回収してくれた。
 

 
 
  反省事項:状況から氷塊崩落の可能性高いと思ったらクライミングは直ちに中止すること。今回    は高めの気温と氷の生成状況から十分に予測できた状況であった。安易に先行者に従う必要は全くない。自らの判断を最優先に。I氏が崩落した氷塊にビレーをセットし、確保体制に入るまでの間に崩落していれば致命的な事故になった可能性がある。アイスクライミング時の氷の崩落にはよくよく留意すべし。


崩落後の大滝全景
大滝の左から巻いて上部に出る。すぐ上の滝は快適にクライミングできそうであったが先行パーティーが取付いており時間もあまりないので今日のクライミングはここまでとし左岸上部の登山道経由下山することとした。 

 大滝上部の滝(ここは崩落の危険もなく快適に見えた)

傾斜のある雪の斜面を立木を手掛かりに登るが急な個所は50度くらいあって結構緊張した。午後1時40分登山道に出る。 この地点が今日の最高到達点1365米。
急な斜面を立木を利用してよじ登る

 アイゼンを着装したまま登山道を下る。午後4時宝鉱山バス停着。9時間20分の行動時間であった。
気分転換に都留市郊外の温泉につかり帰路についた。

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